連載『ものづくりの伝統が息づくまち・船岡山 工房めぐり』 第6回「AMANO COFFEE ROASTERS」

2024/12/20

職人のまちでもある、船岡山エリア。
古くより、ものづくりのまちとしての風土が育まれてきたこのエリアでは、歴史ある伝統工芸の工房はもちろん、近年では、新感覚のギャラリーや若手作家のアトリエなども続々と誕生しています。船岡山エリアの個性豊かな工房をめぐって、ものづくりの文化にふれてみませんか?
第6回目は、「AMANO COFFEE ROASTERS」をご紹介します。

好みの味に出会えるスペシャルティコーヒー豆専門店「AMANO COFFEE ROASTERS」

堀川通と今宮通が交差する場所に建つ「AMANO COFFEE ROASTERS」は、自家焙煎のスペシャルティコーヒー豆を扱う専門店です。

コンセプトは、「良いコーヒーをリーズナブルに届ける」。現地農園と良好な関係を育んでクオリティを高めた豆を仕入れ、豆ごとの特性に合わせた焙煎を行ない、最適なエイジング(熟成)を経て、ポテンシャルを最大限に引き出したコーヒー豆を販売しています。

(カウンターの上にはコーヒー豆のサンプルとそれぞれの説明書きが並ぶ)

店内に据えた焙煎機で、日々の気候や、湿度、温度を見極めながら焙煎を行なっています。店頭で個人客に販売するほか、全国のカフェ、イタリアンレストラン、スペイン料理店などにコーヒー豆を卸しているそう。

(コーヒー豆の麻袋をさりげなくインテリアに活用)
(コーヒー豆の生産地を示すワールドマップも)

店主の天野隆さんは、1953(昭和28)年に自家焙煎コーヒー豆の卸し店を創業したお父様を高校時代から手伝っていたそう。20年ほど前にスペシャルティコーヒーに出会って感動したことを機に独立し、自身の店を開きました。

(天野さんの話を聞きながら、お気に入りの豆を探すのも楽しいひととき)

「酸味は苦手という人もいるけど、この豆は嫌な酸味じゃなくて、フルーティー」といったように、惜しみなく豆選びのアドバイスをしてくれます。天野さんのフトコロの深さに惹かれて弟子入り志願に来る大学生や、この店で学び、開業に至る人も。「専門書もある。お金を払わなくても、ここに来たらコーヒーについて学べる。人と人とのアナログな関係が大切だから」と天野さん。

(ガス圧と火力は一定に、温度の調整と空気の入れ替えを行うのが焙煎のポイントだそう)

「ロースターさんによって、浅煎り、中煎り、深煎りの基準が異なり、焙煎の温度も全然違う。生豆をどういうふうに自分のなかで表現していくか、常に考えています」。

(コーヒー豆を焙煎中。芳醇な香りが店内に満ちていく)

「たとえば、標高の高い農園で栽培される豆は、硬くて粒が大きいので、芯から熱が入るよう、ゆっくりと時間をかけて焙煎することで、甘さが引き出されます。産地、生豆の大きさ、やわらかさ、かたさ、精製のプロセスを見極めて焙煎しています」

(コーヒー豆は100gから購入できる)

1杯500円でコーヒーのテイクアウトもOK。店内で飲むこともできます。気になる豆を選んで伝えると、その場で豆を挽き、ハンドドリップで丁寧に。豆本来のチカラが存分に引き出されたコーヒーのおいしさは格別です。ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。

AMANO COFFEE ROASTERS
電 075-491-6776
営 10:00~19:00
休 火曜
所 京都市北区紫竹東高縄町23-2ルピナス1F
交 市バス停「東高縄町」から徒歩1分
P  なし
AMANO COFFEE ROASTERSホームページ