連載『ものづくりの伝統が息づくまち・船岡山 工房めぐり』~ものづくり体験編~

2024/9/18

職人のまちでもある、船岡山エリア。
古くより、ものづくりのまちとしての風土が育まれてきたこのエリアでは、歴史ある伝統工芸の工房はもちろん、近年では、新感覚のギャラリーや若手作家のアトリエなども続々と誕生しています。

毎回船岡山エリアの個性豊かな工房を訪れている、連載『ものづくりの伝統が息づくまち・船岡山 工房めぐり』の中から、今回はものづくりを体験できる工房をご紹介します。

第1回:ハレの日からふだんの日まで、髪を美しく彩るつまみ細工の専門店「京都 おはりばこ」

大徳寺の東隣に位置する「京都 おはりばこ」。1946(昭和21)年、西陣で糸屋として創業したのがはじまりの、つまみ細工専門店です。

店内には、つまみ細工のかんざしやヘアピンといった髪飾りをはじめ、アンティークのきもの生地で作られた和小物など、色とりどりの商品が並んでいます。店舗の2階が工房になっていて、職人さんがていねいに和小物を仕上げています(非公開)。

庭園の奥に立つ離れの京町家では、舞妓さんの髪飾りと同じ正絹羽二重の手染め生地を使ったつまみ細工が体験できます(1名3300円~。希望日の前営業日までに要予約)。クリップ、かんざし、バッグチャームのいずれかをつくることができ、花のかたち、花びらの色、花芯、花につける“下がり”、すべて好きなものを選んで自由に組み合わせられるのも魅力です。

画像:【連載『ものづくりの伝統が息づくまち・船岡山 工房めぐり』 第1回「京都 おはりばこ」】より

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第2回:新しいショップ&アトリエが登場!京町家がものづくりの舞台に生まれ変わった「藤森寮」

レトロな雰囲気のショップやカフェが建ち並ぶ鞍馬口通で人気を集める、藤森寮。その名の通り、元々は学生寮であった2つの京町家が、アトリエやギャラリー、ショップなど、9つの空間が広がる「ものづくりの舞台」へと生まれ変わりました。

従来から人気を集める、セレクトショップ「アートスペース CASAne」、フェルト作品の工房「アトリエ セレネッラの咲くころ」、漆製品の工房「漆工房 タラノメ」、フュージング技法のガラス体験・工房「glass studio may」、さまざまな作家の展示を行う「ギャラリー森ノ魚」に加え、新しく4つのショップ&アトリエが入居。

彫金の技術でバングルやキーホルダーなどを作ることができる「彫金教室アトリエAzu」、写真家の下坂厚さんによる「フォトアトリエ・ギャラリー 雫」、芸大出身のデザイナー・河村ひかるさんによるセレクトショップ「ギャラリー・ショップ mani mani」、さまざまな使い方ができるレンタルスペース「スイレン房」の4軒です。よりパワーアップした藤森寮に足を運んでみては。

画像:【連載『ものづくりの伝統が息づくまち・船岡山 工房めぐり』 第2回「藤森寮」】より

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第3回:西陣織メーカー「京都西陣やまひで帯」で体験する、伝統の西陣織×水引のコラボレーション

船岡山のふもとに構える西陣織メーカー「京都西陣やまひで帯」。
刀剣とゆかりの深い建勲神社への聖地巡礼の帰りに立ち寄る“推し活”どころとして人気を集めています。

そのはじまりは、1967(昭和42)年、中京区で白生地卸として創業。婚礼用白無垢や織打掛の製作を経て西陣織の帯地を手がけるようになり、1989(平成元)年に現在の地に移転しました。

近年、「西陣織をもっと身近に感じてもらいたい」という思いから、西陣織と水引を融合させたアクセサリーを展開しています。西陣織の生地に水引の花を付けたリボンタイプのアクセサリーは、ヘアゴム、ブローチ、クリップなど多彩。

西陣織の生地、水引の色、オプションパーツなど、好きなものを選んで自身の手で水引の花を作り上げるワークショップや、好きなものを選んで職人に仕上げてもらう“カスタマイズ”が人気です。

画像:【連載『ものづくりの伝統が息づくまち・船岡山 工房めぐり』 第3回「京都西陣やまひで帯」】より

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今回は、ワークショップや体験ができる工房をご紹介しました。船岡山周辺のまちの雰囲気を感じながら、アートなものづくりをしてみてはいかがでしょうか。