北方守護の神「玄武」が宿る、京都始まりの地・船岡山。四季折々の自然や眺望、ふもとに点在する神社仏閣、史跡、お店も魅力的ですが、船岡山エリアを囲む“通り”に注目してみれば、散策の楽しみも倍増します。
毎回、通りにまつわるエピソードを取り上げる連載『船岡山 通りさんぽ』の中から、今回は千本通・鞍馬口通・大宮通の3つの通りをご紹介します。
第4回:平安時代のメインストリート!お寺やお地蔵さんが集まる「千本通」
船岡山のすぐ西側を南北に伸びる、千本通。
北は鷹峯の源光庵のあたりから、南へ約17㎞も続く大きな通りです。
「千本通」との名前は、諸説ありますが、かつてこの通りの北側に蓮台野という葬送地があったことから、その供養のため、通り沿いに卒塔婆がたくさん立てられたことに由来するのだとか。
実はこの千本通は、平安京のメインストリートにあたる「朱雀大路」と同じ場所にある通り。当時の道幅は28丈、およそ85メートルもあったというから驚きです。
千本通沿いには、聖徳太子が創建したと伝わる「上品蓮台寺」や、閻魔王をおまつりする「千本ゑんま堂(引接寺)」をはじめとするお寺が点在していますので、お参りをしながら散策するのもおすすめですよ。
第4回「千本通」はこちら→
第5回:レトロな雰囲気のショップが点在!懐かしさと新しさがうまく溶け込む「鞍馬口通」
鞍馬口通は、京都のまちを東西に3㎞ほど続く通りです。
東は賀茂川に掛かる出雲路橋あたりからはじまり、西に向かって進めば、多くの観光客でにぎわう世界遺産・金閣寺へとたどり着きます。
堀川鞍馬口のあたりから西は、織物のまちで知られる西陣エリアとなり、現在でも時折、機織りの音が聞こえてきます。趣のある京町家も多く残り、この地域ならではの暮らしの文化を感じながら散策することができますよ。
昔ながらのお店が建ち並ぶ一方で、近年では、銭湯や京町家を改装したカフェやショップ、ギャラリーが点在する、注目のエリアでもある鞍馬口通。建勲神社の南参道へも繋がっていますので、お参りをした後は、船岡山の山頂から京都のまちを一望するというのもおすすめですよ。
第5回「鞍馬口通」はこちら→
第6回:西陣のまちの中心的な通りであり、京都市で一番長い商店街もある「大宮通」
大宮通は、北は御薗橋通からはじまり、南に10㎞ほど続く通りです。
織物のまちである「西陣」の中心的な通りで、現在でも趣のある京町家が多く残っています。
「船岡山エリアの大宮通」といえば、外せないのが新大宮商店街。
新大宮商店街は約1㎞も続く、京都市内で一番長い商店街として知られています。昔ながらの八百屋さんや和菓子屋さんなどが並ぶ一方で、近年では、おしゃれな雑貨屋やカフェ、スイーツのお店なども増えてきています。
新大宮商店街をさらに南に進めば、「玄武やすらい祭」を執り行う玄武神社が鎮座します。
「玄武やすらい祭」は、毎年4月の第2日曜日に行われるお祭り。春の花が散るころに流行る疫病を鎮めるための祭礼で、お祭りの行列の花傘に入ると、無病息災のご利益があるといわれていますよ。
第6回「大宮通」はこちら→
今回は、千本通・鞍馬口通・大宮通の魅力をご紹介しました。
社寺や史跡を訪ねながら、お買い物やカフェめぐりも楽しめる船岡山エリア。通りを歩きながら、気になるスポットに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。