「船岡山博士」とめぐる船岡山散策ツアー!(後編)

2021/11/19

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後編は 、 吉田がお伝えします!

(「別格官幣」とは…?)

別格官幣 (べっかくかんぺい)」の意味を皆さんご存じでしょうか。

官幣とは当時の明治政府が近代社格制度のもと、新しく設けた神社の社格の一つとされ、国のため特別な功労があった人物を祀る神社は、別格官幣社に列格されています。
ここ建勲神社は戦国の時代に活躍した織田信長公が祀られています。

普段あまり気にしない文字に関しても、深い知識をお持ちの橋本先生と共に歩き、お話を聴くことで、また一つ教養が身につきました。
また、歴史上の有名な人物が祀られている神社が気軽に立ち寄れる場所にあるということに改めて、京都の歴史、そして船岡山という土地の価値を実感することができました。

(狛犬から生まれた言葉 左:吽形 右:阿形)

「阿吽の呼吸」という言葉は狛犬の口の様子が語源になっていると橋本先生から教えていただきました。

口を開けている方(阿形)が、始まりを意味し、口を閉じている方(吽形)が、終わりを意味しているとのことです。ちなみに 、 この狛犬や、別格官幣の石碑より登ったところにある「敦盛(あつもり)」の歌碑は、西陣の熱烈な織田信長ファンからの寄贈されたものです。
狛犬の中心に立つと、左右の狛犬から目線を感じ、自ずと背筋が伸びる感覚がありました。

(ひときわ存在感のある鳥居は実は…)

散策も佳境となり、建勲神社を後にしようとした時、振り返ると、これまでの鳥居とは明らかに大きさの違う鳥居が目に入りました。この鳥居は、台湾から輸入された紅檜からつくられているそうで、現在ではこのような大きな紅檜を入手することは大変困難であることから、その歴史的価値を感じました。
176㎝ある僕が横に立っても僕が小さく見えるくらい、鳥居の存在は大きかったです。

今回、橋本先生という船岡山の麓で生まれ育ち、船岡山についての研究をされている、いわば「船岡山博士」と一緒に、船岡山を散策する機会をいただきました。
北区の名所といえば金閣寺や上賀茂神社がよく挙げられますが、建勲神社にまつわる歴史、船岡山公園内にも点在する諸々の歴史遺産等を教えていただき、この船岡山もとても魅力的な場所であることを知りました。

案内は2時間ほどでしたがあっというまでした。もっと詳しく説明いただくコースだと、4時間かかるそうです。橋本先生からは、最後に「自分の感性で船岡山から学んで欲しい」との言葉をいただきました。

また、船岡山の山頂で清掃活動をされていた地元の方からも、山頂から見える京都タワーや大文字山について楽しくお話をおうかがいすることができました。

地元の方とも交流することができ、船岡山エリアの人々の暖かさを実感することができました。
歴史好きな人はもちろん、自然に囲まれ日常の疲れを癒したい方は是非船岡山を散策してみてはいかがでしょうか。