職人のまちでもある、船岡山エリア。
古くより、ものづくりのまちとしての風土が育まれてきたこのエリアでは、歴史ある伝統工芸の工房はもちろん、近年では、新感覚のギャラリーや若手作家のアトリエなども続々と誕生しています。船岡山エリアの個性豊かな工房をめぐって、ものづくりの文化にふれてみませんか?
第2回目は、「藤森寮」をご紹介します。
新しいショップ&アトリエが登場!京町家がものづくりの舞台に生まれ変わった「藤森寮」
レトロな雰囲気のショップやカフェが建ち並ぶ鞍馬口通。
アート好きの間でこのところ注目を集めているのが、藤森寮です。その名の通り、元々は学生寮であった2つの京町家は北棟・南棟と呼ばれ、アトリエやギャラリー、ショップなど、9つの空間が広がる「ものづくりの舞台」へと生まれ変わりました。
そんな藤森寮に新しく4つのショップ&アトリエが入居したと聞き、早速訪ねてみました。
鞍馬口通に面した北棟に入ると、はじめに迎えてくれるのが「彫金教室アトリエAzu」です。
こちらは、彫金の技術を使って、真鍮もしくはシルバー素材のバングルやキーホルダー、リング、ペンダントなどを作ることができる工房です。1回60~90分程度の体験はもちろん、もっと本格的に学びたいという人のための教室も開いています。
主宰の市橋美智子さんは、イタリアのフィレンツェに留学し、本場の技術を習得された彫金のプロフェッショナル。ひとり一人ていねいに教えてくれるので、初心者でも気軽に体験できますよ。
北棟の2階には、「フォトアトリエ・ギャラリー 雫」が仲間入り。
こちらは写真家の下坂厚さんによるアトリエ兼ギャラリーで、人物や風景など、下坂さんが旅先や日常の中で出会った景色をそっと切り取り、ことばを添えて展示しています。どの作品も思わず、その瞬間のできごとや前後の物語を想像してしまうものばかり。
作品は不定期で入れ替わるので、季節を変えて何度でも足を運びたくなります。下坂さんの作品のファンの方はもちろん、最近では、海外の観光客の方がふらりと立ち寄られる機会も多いのだとか。撮影の依頼も相談にのってもらえますよ。
中庭を通って南棟に向かうと、1階には「ギャラリー・ショップ mani mani」が入っています。芸大出身のデザイナー・河野ひかるさんが店主を務めるセレクトショップで、アートや工芸、手しごとをテーマに、手に取った人の暮らしを豊かにしてくれる品を揃えています。
店内には草木染めのかばんやスカーフ、陶器のうつわ、真鍮製のアクセサリー、ポストカードなど、河野さんの目利きによって選ばれた作家さんの作品がずらりと並びます。店内にはお花の香りがふわっと広がり、どれにしようかと選ぶ時間もここちよく過ごす工夫がなされています。
南棟の2階には、イベントスペースである「スイレン房」が登場。
同じく南棟2階にあるガラス工房「glass studio may」が手がける空間で、お茶会や撮影スタジオ、展示室などさまざまな使い方ができるレンタルスペースになっています。
内装はガラス作家であり店主の安村聡美さんが、京丹波のガラス工房の方々と自らの手で改装されました。なかでも印象的なのは、たくさんのガラスがはめこまれた窓。光の加減で表情を変える粋な意匠です。レンタルスペースとして以外にも、珈琲イベントなどさまざまな企画を開催する予定なのだとか。
今回は新しく入居した4つのショップ&アトリエをご紹介しましたが、藤森寮にはほかにも、紙モノやうつわなどのセレクトショップ「アートスペース CASAne」、フェルト作品の工房「アトリエ セレネッラの咲くころ」、漆製品の工房「漆工房 タラノメ」、フュージング技法のガラス体験・工房「glass studio may」、さまざまな作家の展示を行う「ギャラリー森ノ魚」が入居しています。
個性豊かな藤森寮でアートな体験をしてみませんか?
藤森寮
電 ショップにより異なる
営 ショップにより異なる
休 ショップにより異なる
所 北区紫野東藤ノ森町11-1
交 市バス停「大徳寺前」から徒歩5分
P なし
藤森寮ホームページ