連載『船岡山と私』 第7回「船岡山とグルメ」~京都グルメタクシー:岩間 孝志さん編~

2024/8/14

毎回、その道のプロフェッショナルの方や地域にお住いの方などに、船岡山とその周辺の魅力を教えていただく連載「船岡山と私」。
第7回目は、【京都グルメタクシー】岩間孝志さんに「船岡山とグルメ」をテーマにご紹介いただきます。

【岩間孝志さんのプロフィール】

第7回「船岡山とグルメ」~京都グルメタクシー:岩間 孝志さん編~

美食船岡山

2015年の春にこんな依頼メールがグルメタクシーに来ました。「京都の人が好きな風景で昼ご飯を食べたい」ということでしたが、たまたま京都のパン教室に通われているお客様で、それならばその教室でランチボックスを作って船岡山で食べよう!となりました。

(フランス料理シェフ時代の筆者/写真提供:岩間孝志さん)

当日読売テレビの「かんさい情報ネットten.」のドキュメント取材も入り出発、そしていざ船岡山のあずまやで食べようと行ってみると、偶然にも琉球三味線の練習をされているグループがおられて、その美しい音色を聞きながら北に広がる山々や町並みを見て、おいしい京野菜と出来たてのパンを頂き、五感で京都の風味を楽しむことが出来ました。

このように京都人に親しまれた場所に救われることもあるグルメ観光ですが、「船岡山エリア」には新人ドライバー時代から大変お世話になっていて、神社仏閣や史跡だけでなく、アクセントのある「美食の宝庫」でもあることを日々実感しています。

屋号にも山の名前が入っている「船岡山清水」は、和久傳や京大和で修業された料理人ですが、誠実な店主のすべてが注ぎ込まれたおいしい料理、そして気さくな女将さんの存在も大きいです。「雲子と小蕪 みぞれ仕立て」「丹波牛炭火焼き」など、いまでも舌の記憶としてはっきりおぼえています。

(船岡山のふもとにある「船岡山清水」/写真提供:岩間孝志さん)
(船岡山清水の「雲子と小蕪 みぞれ仕立て」/写真提供:岩間孝志さん)
(船岡山清水の「丹波牛炭火焼き」/写真提供:岩間孝志さん)

また、船岡山西北にあるうどんの「一麦七菜」は、京都の四季を感じる料理が非常に優れていて、利尻昆布と削り節で出汁をとった「冷七菜」、明太子とあんかけが絶妙の和をつくる「明太鶏卵」もおいしく、さらに最後に〆の名物「わらび餅」もお客様に事前にご提案いたします。

(一麦七菜の「冷七菜」/写真提供:一麦七菜)
(一麦七菜の「明太鶏卵」/写真提供:岩間孝志さん)

北大路通付近のグルメ観光なら湯ごね製法で定評ある「うるおいパン」がおいしい「雨の日も風の日も」を買い求め、フランス惣菜の極み「garnish/ガーニッシュ」で「ほうれん草とベーコンのキッシュ」を調達し、ランチに鰻巻と鰻が御飯の上にたっぷりの「卯凪(ウナギ)」の「う巻丼」を食べてほっこりされる。そういう流れも一度ご案内したこともあります。さらに鞍馬口通ですと、「うめぞの茶房」、「イタリア食堂ガロッパーレ」、そして「さらさ西陣」等々……きりがないですが(笑)

(「雨の日も風の日も」のうるおいパン)
(「garnish/ガーニッシュ」の外観/写真提供:岩間孝志さん)
(「garnish/ガーニッシュ」から北大路通を眺める/写真提供:岩間孝志さん)
(「卯凪(ウナギ)」のう巻丼/写真提供:岩間孝志さん)

船岡山エリアは、古刹の北野天満宮、京都生粋の織物の西陣、神々の聖域・賀茂社、鷹峯という本阿弥光悦ゆかりの芸術村に囲まれ、大徳寺をはじめ茶道の流れも重要な拠点ですから、美食にも長けていて、長らく「食」を育てる地域であるということは間違いないです。

(船岡山の風景/写真提供:岩間孝志さん)
(織田信長を祀る建勲神社/写真提供:岩間孝志さん)

日々船岡山を見上げて、時にはどっしり凜々しく、夕方黄昏時になれば織田信長の存在の如く神々しく、そして静かに目覚める朝の清らかな丘であったりします。これからも素敵な「美食船岡山」を探して日々タクシーを走らせますので、皆さんも船岡山エリアの「おいしい京都」ありましたら是非教えてください♪